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   「判断枠組」                    strategy V




   5° 戦略 V  還元的アプローチ



 還元的アプローチは『帰納』と『演繹』から構成されます。簡単に言えば『帰納』とは「個々の事象や、実験・観察の結果に共有される法則を導き出す」ことであり、『演繹』とは「得られた法則を用いて、個々の事象や実験の結果を推測する」ことです。


【 例 題 3 】
17の30乗を10進法で表したとき、末位(1の位)の数は何か。


【 解答例 】
n を自然数として、 17の30乗の末位の数を順に求めてみると、

    n = 1 のとき、
         17の1乗=17
              で 末位の数は 7
    n = 2 のとき、
         17の2乗=289
              で 末位の数は 9
    n = 3 のとき、
         17の3乗=4913
              で 末位の数は 3
    n = 4 のとき、
         17の4乗=83521
              で 末位の数は 1

となる。よって、

    n = 5 のとき

17の5乗=83520×10+8352×7×10+1×10+7

で 末位の数は 7 となる。
以下、17を次々と乗じて(帰納的に考えて)
17の30乗の末位の数を求めると、
    7,9,3,1,7,9,3,1,7,…
と{7,9,3,1}を周期とする数列になる。
今、30=4×7+2 であることより、
17の30乗を10進法で表したとき、末位の数は、
17の2乗=289
の末位の数と一致し、9 である。


【 解 説 】
 まあ、とっても計算が好きだと言うのなら、 は17を次々と30回掛けていけば、『解』にたどり着けるわけですから、ひたすらがんばるというのもありでしょう。もちろん、この「計算が好き」というのは決して悪いことではありません。しかし、その計算の途中で何が起こっているのかを観察するのは、もっと大事なことでしょう。出現する末位の数に共有される規則性が発見できるのではないかと疑うことは基本的な方略の一つと言えます。
 また、この解答の中で、

 
17の5乗=83520×10+8352×7×10+1×10+7

という部分があります。
ここでは『末位の数』を『その数を10で割った余り』と定量的に捉え(定式化)、さらに、計算の結果を『10の倍数+1桁の整数』と分析していることにも留意しておいて下さい。


 フットボール(あえてサッカーとは言わないでおきましょう)の試合において、『ハーフタイム』の持つ意味はまさに還元的な方略を実行する時間でしょう。控え室に戻った選手たちを前にして監督は、前半で問題となったプレーを個々に指摘ます。また、対戦チームの選手についても、その日のでき具合を実例を挙げて説明するでしょう。要するに、相手を法則化してみせる(帰納する)のです。そして、後半に採るべき戦術について確認させます。もちろん、ここでの戦術は作戦レベル(ある程度抽象性の高いもの)であり、あまりに細かなものであってはかえって意味を失います。残り45分間に起こるさまざまな局面で応用がきく(演繹できる)ような最善の戦術をピッチに向かう選手たちに伝授するのです。
 スポーツに限らず、へとへとになった果てにこそ卓抜したアイディアは産まれると思います。








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