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我が国でもここ数年来、年の瀬になるとライトアップを街に施すイベントが盛んになってきました。ヨーロッパなどは、昔から夜の照明が上手で、昼間とはまた違った味わいを街に醸し出してくれます。治安の良い場所ならばという条件はつきますが、夜のそぞろ歩きもまた楽しいのです。パリのシャンゼリゼやセーヌ河畔といった有名どころだけでなく、ちょっとした公園や広場を囲む店並みもまた、さり気ない光づかいをして、何だかしみじみいいなぁと感傷に浸らせてくれるのです。何といっても冬の欧州は夜が長いので、その時間を演出するには照明そのものが重要になってきたのは必然だったのでしょう。
香港の百万ドルの夜景や、ヘリコプターから眺めるニューヨークの摩天楼やロスアンジェルスのIC回路のような町並みも遠景としては捨て難いものがありますが、近景としての街の美しさはヨーロッパに遠く及ばないものがあります。まあ、近くに寄って楽しめはしますが豪快なラスベガスの電飾も、凡そしみじみとはかけ離れた風景です。緯度が低いため、夏冬での昼夜の時間差があまりなく、冬も暖かい地方は、冬の演出には長けていない感じがします。
かく言う僕も冬生まれではありますが(関係ないか)、寒さはからきし苦手でした。二十代後半の頃は、二月になると休みを取って、貧乏旅行ではありますが、インドやオーストラリアなぞに逃げ込んでいました。さすがに三十代になると忙しくなって(責任感も出て(笑))、わがままも言えなくなります。同時にその頃から、新潟や仙台での仕事も入るようになって、北国の冬も体験するようになってきました。すると不思議なもので、冬もいいなぁなどと思いだしたのです。新酒も美味いし、新潟のノドグロや秋田のハタハタ(とくにブリッコと呼ばれる子持ちのもの)などの魚は脂がのりきって最高です。東京でホヤを食べた時は二度と食すまいとかたく決心したのですが、宮城で供されたホヤはとても同じものとは思えませんでした。やはり寒いときは寒い場所ですね。
さて、ご存知の方も多いと思いますが、仙台は光のページェントというイベントを冬に実施しています。メイン会場になる定禅寺通りで街路樹に付けられた電球が一斉に点灯される瞬間を見たときは、一瞬の残す美もあるなと感じ入りました。というのも、仙台の夏は七夕祭りなのですが、東北の他の夏祭りに較べ、動きがなくてつまらないとご当地の方々が自嘲的に言っていたからでした。わいわい賑やかなのも祭りらしくていいのかも知れませんが、抑制のきいた美しさも「粋」なんだよと、仙台の友人たちには伝えることにします。
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