>>top profile / F.o.R. / strategist / books / monograph
→ 'essay' 一覧へ
随想 弥生 |
|
三月の風物詩とするには、あまりに寂しいものなのですが、この月を思い浮かべるとき真っ先に思い出すものに道路工事があります。この年度末という時期に集中して道路に穴を開けることを、予算消化を目的とする以外の理由で説明できるものなら、一度ご高説を拝聴したいくらいです。
ハンドブレーカー(←路面を壊していく機材:大きな釘が上下振動するような機械というと理解できますか)のガガガガーというひびきや、バイブロランマ(←砂や砂利を突き固めるために上下振動する機械)やバイブロプレート(←アスファルトを転延していく機械)のダダダダという音の脇で、沈丁花は季節を忘れずに固いつぼみをつけています。その多くは赤花種ですが、たまに白花種のものもあります。どちらも咲いてしまうと白い花が、甘い香りをそこら中に漂わせます。管理し易い花なので、幹線道路などでも路端の植え込みなどに使われています。排気ガスにも強いのですが、一度枯らしてしまうと、その枯れた場所に新たな苗を植えても根付きません。
また、道路工事を思い出してしまいました。インフラの整備は大いに結構でしょう。ですが、毎年同じ場所を掘り返す愚をいつまで繰り返していくのでしょうか。どうせなら、道路の地下にしっかりとした共同溝を整備して、電気、水道、ガスなどのライフラインをしっかりと構築するべきではないでしょうか。街路の電信柱もなくなって街並みはすっきりするし、災害時の復旧も容易になります。
落ち着きのある早春を取り戻したいと思います。梅が匂い、桃の花が咲き、沈丁花の香りに包まれながら、次の主役である「桜」の登場を待ちたいものです。ただでさえ風の強い季節に、むやみに土煙を上げるのは無粋の極みというものでしょう。 |
© 2003 ynishioka.
写真撮影:青木繁伸(群馬県前橋市)
![]() |