我が国でもここ数年来、年の瀬になるとライトアップを街に施すイベントが盛んになってきました。ヨーロッパなどは、昔から夜の照明が上手で、昼間とはまた違った味わいを街に醸し出してくれます。治安の良い場所ならばという条件はつきますが、夜のそぞろ歩きもまた楽しいのです。パリのシャンゼリゼやセーヌ河畔といった有名どころだけでなく、ちょっとした公園や広場を囲む店並みもまた、さり気ない光づかいをして、何だかしみじみいいなぁと感傷に浸らせてくれるのです。何といっても冬の欧州は夜が長いので、その時間を演出するには照明そのものが重要になってきたのは必然だったのでしょう。
香港の百万ドルの夜景や、ヘリコプターから眺めるニューヨークの摩天楼やロスアンジェルスのIC回路のような町並みも遠景としては捨て難いものがありますが、近景としての街の美しさはヨーロッパに遠く及ばないものがあります。まあ、近くに寄って楽しめはしますが豪快なラスベガスの電飾も、凡そしみじみとはかけ離れた風景です。緯度が低いため、夏冬での昼夜の時間差があまりなく、冬も暖かい地方は、冬の演出には長けていない感じがします。 [next]